「ものづくりAPS」とは
ものづくりAPSとは、製造業など、ものづくりに携わる企業が、現場を中心とするさまざまな情報を最大限に活用してトータルな意思決定を的確におこなっていくためのしくみです。
生産現場は設計の現場など、「知」が次々と生成されている現場では、従来型のITではカバーしきれないことが多々します。たとえば、改善活動で常に進化している生産現場は、コンピューターの世界に置き換えることによって、返って進化できないしくみになってしまいます。
現場のIT化は、人間力の重視と見える化がポイントです。APS(先進的な計画とスケジューリング)によって、計画とスケジューリングを有機的に統合し、現場の状況を、過去から未来へ向かう時間軸の中で見える化を推進する必要があります。
ものづくりAPSによって、現場にちらばっていた情報や知識が、利益の源泉として生まれ変わります。
ものづくりAPS推進機構の役割
ものづくりAPS推進機構は、ものづくりAPSを実践する製造業やIT企業を応援します。
ものづくりAPSを個々の企業で実際に行っていくためには、現場の業務に関する知識と、ITに関する知識の両方が必要となります。
APS推進機構は、現場の知識とITの知識をどのように融合させるかについて標準的なモデルや方法を提案しています。このような、ものづくりAPSのプラットフォームの上で、さまざまな製造業の業務や、さまざまなITの道具を、現場の進化に応じてダイナミックに組み合わせていくことが可能になります。
ものづくりAPS推進機構では、このプラットフォームの国際標準化を進めるとともに、国内の製造業やIT企業が、今後より現場中心の戦略的なしくみを構築することをお手伝いします。
これまでの経緯
ものづくりAPS推進機構の前身であるPSLXコンソーシアムは、2001年に主に国内の生産スケジューリングシステムベンダーが中心となって設立されました。
生産スケジューリングは、製造現場のIT化を進める上で中核となるしくみであり、さらに生産現場が管理部門や外部の取引先からも“見える”ようにするための重要な技術です。
コンソーシアムは、生産現場の実行系のシステムや、ERPなどと容易にソフトウェアが接続できるように、標準的なモデルを開発し、インタフェースと統一することでより柔軟なソフトウェアを開発可能としました。コンソーシアムが開発した標準仕様は、製造業全体の意思決定のありかたやIT化のありかたをも含む形で勧告され、国際標準にも取り上げられています。
PSLXコンソーシアムは、この活動をさらに継続的により責任あるものとするために、ものづくりAPS推進機構として生まれ変わりました。
PSLXフォーラムとは
PSLXフォーラムとは、APS推進機構の前身であるPSLXコンソーシアムの会員のネットワークを発展させた、ものづくりAPSに興味をもつ多くの市民によるネットワークです。PSLXフォーラムは、ものづくりAPS推進機構のフォーラム委員会によって運営されています。
PSLXフォーラムは、ものづくりAPSの活動における中核であり、そこに参加している経験豊富な実務家や理論家が、現在または将来のAPSのあり方を作り出しています。たとえば、国際標準となる予定のIEC62264パート3は、ここから生まれています。
ものづくりAPS推進機構は有料の会員制ですが、PSLXフォーラムへの参加は無料であり、入会も退会もウェブ上で行えます。参加者には、メーリングリストにより、各種の案内や、技術仕様に関する最新の情報が提供されます。
NPO法人設立趣意書
- NPO法人設立趣意書 (PDFファイル 4.42MB)